Sacraments
秘跡
秘跡とは、目に見えない神の恵みの見えるしるしであり、 現存する神様の愛を受けるための教会の典礼のことです。 秘跡の主体はキリストご自身で、 教会の奉仕者(司祭)の司式によって行われます。 キリスト者は秘跡を通して神様からしるしを伴う恵みを受け、 キリストによって清められ、強められ、新たにされます。 聖体の秘跡(ミサ)を中心に、7つの秘跡が定められており、 人生の歩みにキリストがともにいてくださいます。
ミサ聖祭(ご聖体の秘跡)
カトリック教会のミサは、イエス・キリストが十字架の死と復活を通して成し遂げられた救いの祭儀の記念(Anamnesis)です。神の御言葉を聴く「言葉の典礼」と、キリストの死と復活を記念する「感謝の典礼」に分けられます。イエスの死と復活の記念を行うミサ聖祭の中で、パンとぶどう酒がキリストの御からだと御血に聖変化(実体変化、transubstantio)し、それを霊的な糧として拝領します。救いの神秘は、最後の晩餐の時に定められた御聖体の秘跡において、「今、ここ」という時間と場所に「現在化」します。この秘跡に与ることによって、復活されたキリストと結ばれ、キリストのうちに多くのキリスト者と一つに結ばれます(聖徒の交わり、communio sanctorum)。救いのしるしである十字架はこれを見事に表しており、十字架の縦軸は神と人との交わりを、十字架の横軸は人と人との交わりを表しています。
洗礼の秘跡
カトリック教会の洗礼とは、キリスト教の入信に際して行われる儀式で、水と聖霊の注ぎによって原罪(peccatum originale)から始まる罪から清められ、神の子どもとなる恵みを受ける秘跡です。幼児にも、ご両親や共同体の信仰をもって洗礼を授ける習慣があります。子どもの物心がついた頃に、教会学校に通って信仰教育を受けるように勧められます。成人洗礼の場合には、洗礼を受ける前に教会の教えや聖書について学び、お祈りの中で心の準備をします。洗礼を受けた人は、カトリック教会の信者となります。
堅信の秘跡
カトリック教会の堅信の秘跡とは、洗礼を受けた後、さらに信者として成長するために按手と塗油を受ける儀式のことです。堅信を受けるときは、司教が信者の頭に手を置き、聖香油(Sanctum Crisma)を塗って祈ります。これによって霊印(Character Spiritualis)が刻印され、信者はキリストと教会とのもっと深い交わりの中で神と人々に仕える使命を生きるようになります。一度刻まれる霊印は永続するものなので、堅信は繰り返し受ける必要はなく、生涯に一度だけ受けることができます。
結婚式
カトリック教会の結婚の秘跡とは、司祭が司式するキリスト教の結婚式です。結婚式では、新郎新婦が神の前で愛と忠誠を誓い、そのしるしとして指輪を交換します。新郎新婦二人とも信者である場合の結婚式を結婚の秘跡と言いミサ聖祭の中で行われます。一方、片方が信者で片方が未信者の場合の結婚式を結婚の祝福と言い、み言葉の祭儀の中で行われます。日本のカトリック教会におきましては、信者の数が少ないために、特例として未受洗者同士の結婚式もカトリック教会の中で行うこともできます!いつでもお気軽にお問い合わせください!!
告解(ゆるしの秘跡)
カトリック教会の告解(ゆるしの秘跡)とは、カトリック信者が自分の罪を司祭に告白し、神の赦しと和解を得る信仰儀礼です。告解は、ゆるしの秘跡とも呼ばれ、一生に一度だけではなく、何度でも受けることができます。司祭の前で行われるゆるしの秘跡であっても、すべての秘跡の執行者はキリスト(in persona christi capitis)ご自身なので、キリストのとりなし(仲介)によって神からの罪のゆるしをいただきます。告解を受けるには、自分の罪を糾明し、罪に対して心から痛悔し、回心する決意が必要となります。司祭は、秘跡に与る人に霊的な償いをするように勧めます。告白された罪に対して、司祭は守秘義務を負っています。
病者の染油
病者の塗油とは、カトリック教会の七つの秘跡の一つで、病気や臨終にある人に司祭が聖なる油を塗って祈り、罪の赦しと癒しを与える儀式です。病者の塗油は、イエスが病人に手を置いて病からの癒しをもたらされたこと、また初代教会が病人に対して行っていた奉仕の務めに由来します。病者の塗油は、イエス・キリストが病に苦しむ人と共におられることを伝える癒しの秘跡です。 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」(ローマの信徒への手紙12章15節)
病人訪問
カトリック教会の病人訪問とは、カトリック信者が病気や高齢で教会に行けなくなった場合、その人を訪れて、祈りや慰め、助けを与える奉仕の務めです。特に、病人訪問の中で司祭はキリストの御からだを病人のところまで運んでいき、聖体拝領ができるようにします。合わせて病者の塗油が行われる場合もあります。ご希望される方はご遠慮なくご連絡ください。
葬儀
カトリック教会のお葬式とは、キリスト者がこの世を旅立つ時に行う宗教儀礼です。お葬式は故人を偲び、故人のために神のいつくしみを願い、故人が永遠の命にあずかることができるように祈るために行われます。キリスト者はキリストの「永遠の契約(新約)」によってキリストの死に結ばれ、その復活のいのちにもあずかります。 お葬式の流れは、臨終に際する儀式、通夜の祈り、葬儀ミサ、告別式の4つに分けられます。お葬儀は通常、ミサ聖祭の中で行われます。カトリックのお葬式では、死が終わりではなく新しいいのちの門出と捉えるため、故人のための献花が行われます。典礼の色も、昔のように死を意味する黒色は用いず、天上の誕生を祝うために喜びの色(白色)を用います。