Sacramentals
準秘跡
秘跡は、イエス・キリストによって定められたものですが、準秘跡は、7つの秘跡以外、教会によって制定されたものです。それは、教会が信者のために、さまざまな奉仕職、また、生活身分、多様性に富んでいるキリスト者の生活状況、および、人間に役立つ事物の使用を聖化するために定めたものなのです。準秘跡は、つねに祈りを含んでおり、一定のしるし(たとえば、按手、十字架のしるし、聖水を注ぐことなど)を伴っています。聖体降福式(Hora Sancta; Benediction)、十字架の道行(Via crucis)、ロザリオの祈り、聖務日課などの信心業をはじめ、教会堂などの聖別(sanctificatio)と誓願を立てる人や信心業のための物の祝別(consecratio)があり、また土地の祝福、家の祝福、家畜の祝福、車の祝福、食物に対する祝福、出産前後の祝福、物に対する祝福など、様々な祝福(benedictio)があります。日本カトリック教会におきましては、上記に加えて七五三祝福、子どもの祝福、節目を迎える人の祝福、厄年の祝福、高齢者の祝福、なども行うことができます。
七五三祝福
日本カトリック教会は、日本の慣習に従い(inculturation)、11月15日の七五三に近い主日(日曜日)のミサの中で、七五三祝福式を行います。千歳飴とメダイを祝福し、子どもたちの健やかな成長を願って祈ります。
高齢者祝福
9月の敬老の日の近い主日ミサの中で、ご高齢の方々(75歳以上)のための祝福を行います。昨年から司祭からのささやかな感謝のプレゼントをも送っております。参加を希望される方は9月のお知らせをご覧になり、事前に教会に連絡くだされば幸いです。
聖体降福式(聖体賛美式)
毎月、初金(最初の金曜日)の習慣として聖体降福を行っております。カトリック武雄教会は、イエスの御心にささげられた教会として、初金の聖体降福式を教会のアイデンティティーの一つとして考えております。 カトリック教会には伝統的に毎月の第1の木曜日の夜から金曜日にかけて、イエス・キリストの受難とご聖体の中に現存しておられるキリストを黙想し聖時間(Hora Sancta)を過ごす習慣があります。聖時間の中では、ご聖体を顕示し、聖体賛美式と聖体降福式が行われます。 現在、聖時間を守る習慣は日本の教会の中では薄れてきていますが、教会の大切な信心業の一つで、聖体降福によってもたらされる霊的な恵みも大きいと言えます。一定の条件を満たした場合には全免償(indulgentia)が与えられます。来られる方の人数にかかわらず行われていますので、お気軽にお越しください。
車の祝福、船の祝福
乗り物に対する祝福ですが、物への祝福は基本、それを用いる人々への祝福になります。新車を購入されたカトリック信者さんは、司祭に申し出て車の祝福を受ける習慣があります。祝福の祈りですので、信者でなくても祝福のお祈りが可能です。お気軽にお申し出ください。
出産前後の祝福
出産の前に安産のための祝福を行います。出産後には感謝のお祈りと司祭による祝福を行います。出産後には新生児のためのお祈りがありますが、カトリック信者の場合、すぐに幼児洗礼を授ける場合が望ましいです。
十字架の道行
復活祭の前の40日間、旧約の神の民の40年間の荒野の生活及びイエス・キリストの公生活前の40日間の断食の時間に因んで、回心と償いのための四旬節を過ごします。その期間中には特に、毎週の金曜日に教会に集まって共同体として十字架の道行を行います。十字架の道を辿りながら、人類の贖いのためのキリストの受難を黙想し、回心へと導かれます。聖金曜日にはイエス・キリストが十字架上で息を引き取られた午後3時に集まって十字架の道行を全共同体が荘厳に行い、大斎(断食)・小斎(肉食をしない)を守ります。
家庭の祝福
カトリック教会では司祭が家庭を訪問し、各家庭を祝福する習慣があります。希望者に対して年に1回行うことができます。新年になったら家庭訪問希望の申込み用紙を配布いたします。カトリック信者以外にもご希望の方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご相談ください。
土地の祝福(地鎮祭)
定礎式、起工式、及び棟上げの時の祝別です。カトリックの儀式では、建築の前に親石を祝別する習慣がありますが、日本カトリック教会におきましては、日本の慣習を尊重した形で地鎮祭を行います。砂盛りと塩と水(聖水)、お香(献香)などを用います。日本の文化に因んで、希望に応じて鯛や果物や野菜やお酒を備えることもできます。しかし、必ず備えないといけないわけではありません。
家の祝福
落成式、及びその他の場合の祝福です。 新しい家ができたときに、神の恵みとご保護を願う意味で、司祭から祝福していただくのは好ましいとされています。この祝福は、毎年(取り分け新年を迎えたときに)繰り返し受けることもできます。
家畜及び伴侶動物の祝福
毎年10月4日、アッシジの聖フランシスコの祝日に、カトリック教会の一部の国々において動物を聖堂に連れてきて祝福を受ける習慣が、現代に入り徐々に広まりつつあります。人間と関わりを持つ動物たちの魂も、いのちの源である神様からいのちを受けて生きているので、永遠の神のいのちに帰すとの考えが増えてきました。カトリック教会におけるペットのための葬儀などは、まだ神学的な議論がなされていないために儀式書などもありませんが、祝福の祈りは十分できると思います。もし祝福の祈りが必要な方がいらっしゃいましたら、教会にお問い合わせください。